『はみだしインディアン』
先住民の保留地ウェルピニット生まれのアーノルド。
ウェルピニットでは、お酒が原因で亡くなる人が多い。
周りは、貧乏で夢を持つことさえも諦めている。
アーノルドはある日、学校で幾何学の教科書の
裏表紙に母親の名前が書かれているのを見つける。
それは、貧乏で教科書を使い回ししなければならないという
厳しい現実を語っており、
それを悟ったアーノルドは思わず教科書を投げた。
それが先生の顔面に直撃したのがキッカケで、
先生から絶望がはびこる保留地を出て行くことをすすめられ、
35キロ離れた白人中心の町の学校に転校することに!
先住民仲間からは白人に媚びを売っているろ後ろ指を差され、
白人からは先住民だからと相手にしてもらえない日々が続くが、
不幸を経験していく中で、自分を気にかけてくれる人がいることに気づく。
白人だろうと黒人だろうとアジアジンだろうと先住民だろうと、
美人だろうと美人でなかろうと、悩みは誰にでもあることも知る。
実話を基にした話です。
内容的にはシリアスですが、
テンポの良い文体や挿絵も手伝って読みやすいです。
私のお気に入りの1冊。
「世界は人種ごとに分かれてるんだと、
前は考えてたんです。
黒人と白人は違うし、
インディアンと白人は違うってね。
でも、そうじゃないって分かりました。
人間には二つの種類しかないんです。
クソったれと、クソったれじゃないやつの二種類です」
(アーノルドのセリフ)
はみだしインディアンのホントにホントの物語 (SUPER!YA)
- 作者: シャーマンアレクシー、エレンフォーニー
- 出版社: 小学館